【解説】象徴性あふれる和平協議、しかしロシアとウクライナの基本的立場の違いは残る……BBC外交担当編集委員

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ジェイムズ・ランデイルBBC外交担当編集委員
ウクライナの首都キーウでの会談は、象徴的な意味合いに満ちていた。ロシアによる本格的な侵攻が始まって以来、ドナルド・トランプ米大統領の特使たちは初めて、ウクライナの土地を踏んだのだ。その光景は、まさに象徴的だった。
アメリカの特使たちは、列車でウクライナに入った。そうするしかなかったのは、飛行機での移動ではロシアのドローンによるリスクが高すぎたからだ。ロシアのドローン攻撃を命令するのは、特使たちがほんの数時間前までクレムリン(ロシア大統領府)で一緒に食事をしていた人物だ。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、キーウの聖ソフィア大聖堂でスティーブ・ウィトコフ氏とジャレッド・クシュナー氏を出迎えたことも、象徴的な意味を持つ。聖ソフィア大聖堂は、ウクライナの古い歴史を象徴するだけでなく、ロシアのドローンが4日に攻撃したウクライナ保安庁本部近い場所にある。
この場所で特使たちを出迎えることで、ゼレンスキー氏が何を言おうとしていたのか。理解するのはそう難しいことではなかった。
ウクライナとアメリカの代表団は数時間にわたり協議を行った。その後、イギリスのジョナサン・パウエル国家安全保障担当補佐官を含め、欧州各国の国家安全保障担当が加わった。
関係者全員はその後、実質的な協議だったと好意的に語り、アメリカと欧州が参加した過去の「三者協議」復活へ期待感を示した。

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しかし、根本的な食い違いは依然として残る。アメリカの特使たちは、キーウを訪れた前日にはモスクワにいた。そこではロシアのウラジーミル・プーチン大統領が彼らに、ロシア軍は戦場で「目に見える成果」を挙げて進軍しているのだと強調した。
特使たちが続いてウクライナ側から聞いた話は、これと食い違い、むしろ真逆だった。ウクライナ当局は、今年8月において自軍は失った領土より多くの領土を獲得した、逆にロシア軍の死傷者は4万2000人にもなったと主張している。
プーチン大統領はアメリカの特使に対し、紛争の根本原因に対処する必要があるとも述べた。プーチン氏の言う「根本原因への対処」とは、彼が長年繰り返してきた戦略的な要求を端的に言い表したものだ。それはつまり、ウクライナがその領土をロシアへ割譲し、北大西洋条約機構(NATO)加盟の願いを放棄し、軍隊の規模を縮小するという内容を意味する。
ゼレンスキー大統領はアメリカの特使たちとの会談後、ウクライナは強力な軍隊を含む「明確かつ確固たる」安全保障を必要とすると主張した。また、東部ドンバス地方の領土を放棄する意思など一切示さず、これは「難しい」とだけあっさり表現した。
ウィトコフ特使は、進展はあったし、和解に必要な要素は揃っていると力説した。
しかし彼は、両者の隔たりを縮めるためには、双方が妥協する必要があると認めた。そして現状では、どちら側にもそのような気配はうかがえない。
ウクライナ政府はそのため、今後も戦いは続くし、厳しい冬を迎えることになるだろうと見ている。
一部の外交官は、来春にも和平の好機が訪れるとかもしれないと言う。しかし、そのような楽観を共有しない外交官も大勢いる。
ゼレンスキー大統領は、双方が合意した短期的な空爆停止によって、キーウ市民が束の間でもほっと一息を着くことができたとして、特使たちの訪問に感謝した。しかし、この休息が長く続くとは誰も考えていない。















