フランス、ファストファッション製品に課金 中国「SHEIN」や「Temu」を標的に

百貨店のフロアに衣料品ラックが並べられ、さまざまな衣料品がぎっちりとかけられている。通路にはマネキンも置かれており、買い物客でにぎわっている

画像提供, Gamma-Rapho via Getty Images

画像説明, SHEINは2025年にパリの百貨店BHVに初のリアル店舗をオープンした
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シャーロット・ハドフィールド記者

フランス政府は1日、電子商取引(eコマース)サイトで販売される安価な衣料品の急増を抑えるため、ファストファッションの製品に課金する新たな制度を開始した。金額は当面、Tシャツが2ユーロ、ジャケットが12ユーロなどとなっており、2030年までに1品目あたり最大20ユーロに達する可能性がある。

フランス国会は6月、中国発の通販サイト「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」、「AliExpress(アリエクスプレス)」といった、いわゆる「ウルトラ・ファストファッション」企業を規制する新法を可決した。

安価な衣料品を大量販売することで知られるこれらのeコマース大手は、環境に悪影響を与えるファストファッションの急増を招いているとして、フランス当局から批判されている。

中国商務省は、フランスの法律は差別的で貿易障壁だと述べ、世界貿易機関(WTO)の原則に違反する可能性があると指摘した。

フランスのマチュー・ルフェーブル・エコロジー移行担当相は、環境と経済に対する「ウルトラ・ファストファッションの有害な影響」は「周知の事実」だと述べた。

ルフェーブル氏の事務所は7月、この課金はスウェーデンの大手ファストファッションブランド「H&M」やスペイン同業「Zara(ザラ)」のような小売業者には適用されないと述べた。そのため、欧州企業を大目に見ているという指摘も上がった。

新法によると、ウルトラ・ファストファッションは、市場に出回る衣料品の量と、購入価格に対する衣料品の修理費用という2要素で定義される。製品ごとの課金額は、各製品がそれぞれの要素でどの程度の評価を受けたかで変動する。

2026年の課金額は、下着が0.50ユーロ(約93円)、Tシャツが2ユーロ(約370円)、ジーンズが9ユーロ(約1665円)、ジャケットが12ユーロ(約2220円)となっている。

この金額は2030年までに1品目あたり最大19.50ユーロ(現在のレートで約3607円)に達する可能性があるが、上限は製品の税抜き価格の50%に据え置かれる。

SHEINのロゴが入った衣料品を送るためのビニール袋

画像提供, Reuters

中国で創業しシンガポールに本社を置くSHEINはこの日、香港証券取引所に上場。初日の取引で、時価総額は240億ドル(約3兆8300億円)となった。

同社はかつて、1000億ドル近い価値があると推定されていたが、激しい競争や貿易摩擦、そしてサプライチェーン関連の倫理問題に直面している。

BBCはSHEIN、Temu、AliExpress各社にコメントを求めている。

SHEINは以前、BBCに対し、ウルトラ・ファストファッションを標的とした法案の影響は「生活費危機の影響をすでに感じているフランスの消費者の購買力を悪化させるだろう」と述べていた。

Temuは、イギリスとアメリカの政治家からも広く批判されている。

Temuの広報担当者は以前、BBCに対し、同ブランドは「提案されているフランスの法案で取り上げられている重要な環境問題を認識している」と述べた。また、同社のプラットフォームはマーケットプレイス(市場)であり、自社製品を製造しているわけではないため、ファストファッション企業として運営されていないと主張した。