英リフォームUKファラージ氏の側近、外国献金確保する法の抜け穴提案 チャンネル4が潜入取材

屋外の東屋の中で、スーツ姿の男性がテーブルに着く様子。若い男性は斜め下を向きかすかに笑顔を浮かべ、立った状態で座ろうとしているファラージ氏は大きく笑っている

画像提供, Channel 4/ Verbatim

画像説明, 英野党リフォームUKヘの大口献金関係者を装い潜入取材を続けた記者が、ひそかに撮影した映像を、英チャンネル4が放送した。英南東部クラクトンでファラージ氏(右)、側近ジュークス氏(左)との会食中、献金が話題になった
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クリス・メイソン政治編集長、ハリー・ファーリー政治担当編集委員

英公共放送チャンネル4は3日、英野党リフォームUKと外国からの献金に関する潜入取材映像を放送した。身分を偽り同党幹部に接近したジャーナリストがひそかに撮影した映像では、同党のナイジェル・ファラージ党首の側近が、50万ポンド(約1億円)の献金を外国から得るために選挙と政治資金に関する規制法をいかに回避するか、方法を提案する様子が映っている。

ファラージ党首の側近ダン・ジュークス氏は、裕福なアメリカ人実業家の父親を持つイギリス在住の男性を装ったジャーナリストと話をしている様子を、秘密裏に撮影された。

イギリスの選挙法では、イギリスの政党への献金が認められるのは、イギリスで有権者登録をしている人物か、イギリスで法人登記している企業に限られる。

このため、潜入取材でリフォームUKに接近したジャーナリストが装った「イギリス在住の息子」は献金が可能だが、「その父親のアメリカ人実業家」は献金が認められない。

この取材は、イギリスの非営利ジャーナリスト組織「気候変動報道センター」の記者たちが設立した調査報道グループ「ヴァーベイタム・インヴェスティゲーションズ」によるもの。チャンネル4ニュースは、提供された映像素材の真偽を確認した上で放送することにしたと説明している。

この報道を受けて、リフォームUKは不正行為を一切否定し、「外国の資金援助を受けた気候変動活動家が仕組んだ、やらせの標的にされた」と主張している。

広い会議場の会場で歩いているスーツ姿のファラージ氏。横を見ながらかすかに笑顔を浮かべている

画像提供, EPA

画像説明, リフォームUKの党大会に出席したファラージ党首(3日、英バーミンガム)

「ヴァーベイタム・インヴェスティゲーションズ」の記者がひそかに撮影し、チャンネル4が放送した映像では、アメリカ人献金者の息子を装った記者が、自分の父親は合法的には直接献金できないのではないかと、懸念を口にする様子が映っている。

映像では、イギリス政界の中心地にあたるロンドン・ウェストミンスターで、ファラージ氏の側近ジュークス氏がパブの外で、立ってビールを飲みながら、「できるって分かってますよね?」と、「アメリカ人献金者の息子」に話している。

チャンネル4によると、ジュークス氏は、献金の資金そのものは「アメリカ人の父親」からだったとしても、イギリスを拠点とする息子の名義で献金することは可能だと示唆している。

「実際、それで解決できそうだ」とも、ジュークス氏は続けている。

ジュークス氏は続けて、自分たちは何度か同じことをしているのだと主張。公開された映像ではここで、音声の一部が数カ所消されている。この手法で献金を受けとった具体的な事例の、固有名詞を出しているとみられる。

「それが、我々が使う方法の一つだ」とも、ジュークス氏は映像で述べている。

この報道を受けて、リフォームUKはジュークス氏について内部調査を開始したと発表した。同氏が引き続き同党の広報担当を続けるかは、明らかにしていない。

チャンネル4はさらに、ファラージ党首の選挙区、英南東部エセックス州クラクトンでの昼食会の様子を放送した。その映像では、引き続き「アメリカ人献金者のイギリスに在住する息子」を装った記者と、そのアメリカ人の父親役を演じる俳優が映っていた。テーブルをはさんで2人の前には、ジュークス氏とファラージ氏が座っている様子が映っていた。

「息子」がファラージ氏に、自分はジュークス氏のほかリフォームUKの政策担当ジェイムズ・オア氏と以前からこの件について話し合ってきたと説明すると、ファラージ氏は「すべて正当だ」と述べた。

映像で記者は「息子」として、「僕が政治献金者として登録します」、「その後、父が僕に送金します。それからすぐに、必要なやりとりをすべて済ませたら、その金は使えるようになります」と発言した。

すると、ファラージ氏が「ありがとう。いや、お二人ともありがとう」と発言するのが聞こえる。

リフォームUKは、オア氏も内部調査の対象だと明らかにした。

チャンネル4ニュースが放送した映像では、潜入記者が「アメリカ人実業家の息子」として、50万ポンドの献金を提案する前には、オア氏がこの「息子」に、リフォームUKの選挙活動を支える世論調査を実施するため、その資金を「アメリカ人実業家」が払ってはどうかと提案している。

世論調査の実施には1万8000ポンドの費用に加えてVAT(付加価値税)がかかるが、オア氏は世論調査会社が「息子」に請求書を送ればいいとも述べている。

チャンネル4ニュースによると、リフォームUKは計3万2500ポンドをかけて3件の世論調査を調査会社に委託した。この世論調査を誰が委託し、誰が資金を提供したのかは、イギリス国民に知らされていなかったという。

政党がこのような資金提供を公表しないことは、法律違反にあたる。また、こうした方法で外国からの資金提供を受け入れることも違法だ。

リフォームUKの広報担当は、「リフォームUKは、外国の資金援助を受けた気候変動活動家が、党への献金者を装って仕掛けたやらせの標的となっている。党は一切の不正行為を否定する」と述べた。

「リフォームUKは、選挙管理委員会が承認した献金希望者に対し、厳格な審査プロセスを設けている」とも同党広報は述べ、「このやらせは、『ヴァーベイタム・インヴェスティゲーションズ』という新しい会社によるものだ。本当の正体を隠すため、2026年7月に法人化されたが、その正体は気候報道センターだ。創設者ローレンス・カーターの手法については、映像を大幅に編集することで不完全な会話の記録を作り出していると、かつて複数の米連邦議員が非難している」と反論した。

英選挙管理委員会の報道官は、「法律は政党に、受け取った1万1180ポンドを超えるすべての合法的な献金と、500ポンドを超えるすべての違法な献金を報告するよう義務付けている」と述べた。

「献金規制を回避しようとする動きについて情報がある場合、それは警察が検討することになる」という。

ロンドン警視庁の報道官はBBCに対し、「政党への献金と、世論調査に関する2000年政党・選挙・国民投票法違反の疑いに関する、9月3日木曜日の報道について、我々は認識している。この件と、提供された情報を精査する」と述べた。

警察はまだ捜査を開始していないとみられる。

BBCはジュークス氏にコメントを求めたが、回答は得られていない。