アメリカ国籍の「出生地主義」制限するトランプ氏の命令、連邦地裁が差し止め

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アメリカで生まれた子どもにほぼ無条件でアメリカ国籍を与えると憲法が保障する「出生地主義」を制限しようと、ドナルド・トランプ米大統領が先月に出した大統領令について、メリーランド州の連邦地方裁判所は2日、この大統領令を一時差し止める判断を下した。
トランプ大統領は2期目就任後、出生地主義を廃止しようとしたものの、昨年1月にワシントン州シアトルの連邦地裁が差し止めを命じた。その後も、出生地主義を大幅に制限しようとしたが、連邦最高裁が今年6月に違憲で無効だとする判決を下した。
トランプ氏は8月に再び、出生地主義を制限する二つの大統領令に署名。「敵性外国人」の子供にアメリカ国籍を与えることや、生まれる子どもにアメリカ国籍を取得させる目的で妊婦が訪米する「出産ツーリズム」を禁止しようとした。
これについてメリーランド州の連邦地裁は2日、一時差し止めを命じた。デボラ・ボードマン判事は、アメリカで生まれた子どもに自動的に国籍を与えるという憲法上の権利の侵害にあたる可能性が高いと指摘した。
ボードマン判事は2日、移民支援団体が起こした訴訟が決着するまで、トランプ氏の大統領令を一時的に差し止める仮処分命令を出した。政権側は控訴する可能性が高い。
同判事が指摘した訴訟は、非営利団体CASAや亡命希望者を支援するASAPなどの移民支援団体が提起したもの。原告側は、不法移民の子どもについて出生地主義の適用をやめようとしたトランプ氏の以前の大統領令について争っている。
ボードマン判事は、出生地主義を制限しようとしたトランプ氏の以前の取り組みを違憲で無効とした最高裁判断を引用し、「2026年の大統領令は、ほぼ間違いなく違憲だ」と述べた。
「当裁判所は、市民権を得る権利を、人々から奪おうとする大統領の最新の取り組みについて、改めてその執行を一時差し止めなくてはならない」
「出産ツーリズム」と「敵性外国人」の子どもを標的
トランプ氏は6月の最高裁判断を受け、8月に対象をより限定した新しい大統領令に署名した。この大統領令は「出産ツーリズム」を対象としたもの。
出産を目的としたアメリカへの渡航はすでに違法だが、最新の大統領令は、規制の強化と取り締まりの拡大が目的だった。
親が「敵性外国人」とみなされる子どもに、出生地主義に基づく市民権を与えないことも含まれていた。トランプ政権は「敵性外国人」を、麻薬カルテルを含むテロ組織に指定された組織に所属する人物などと定義している。
この大統領令は、アメリカ国内で働く外国政府職員の子どもについても、自動的に国籍を与えることを禁止する。
政府側の弁護団は、出生地主義を維持した6月の最高裁判断について、より対象を絞って制限することまで禁じてはいないと主張。また、外交官や「敵性外国人」の子どもなど、出生地主義の例外は過去にも認められてきたと指摘した。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、ホワイトハウスの報道官は3日、今回の連邦地裁判断について、「トランプ大統領の常識的な政策を妨害しようとする、バイデン前大統領が任命した活動家的な判事による新たな判断にすぎない」と述べた。
同報道官は、「出生地主義に関する大統領令は、最高裁が示した判断と分析に沿ったものだ」とした。
出生地主義を廃止または制限しようとするトランプ氏の度重なる試みは、アメリカへの移民流入や移住を抑えようとする広範な戦略の一環だ。この戦略には、複数の国の出身者に対する「一時保護資格(TPS)」の廃止や、強制送還の拡大も含まれる。
移民の取り締まりを進める米移民・関税執行局(ICE)は8月だけで、5万925人を拘束。過去最多だった7月の5万208人を上回り、1カ月あたりの拘束者数として過去最多記録を更新している。















