ロシアの軍艦、デンマーク軍のヘリに火炎弾を発射 バルト海で

黒い機体のヘリコプターがホバリングしている写真

画像提供, Rune Dyrholm / Danish Armed Forces

画像説明, デンマーク軍が保有する軍用ヘリコプター「フェネック」(資料写真)
Published
この記事は約 5 分で読めます

ヘンリー・ムーア記者

デンマーク軍は15日、同軍のヘリコプターがバルト海でロシアの軍艦を追跡していた際に、軍艦から2発のフレア(火炎弾)を発射されたと発表した。

この事案は14日、「定例の」監視活動中に発生したとされる。デンマーク政府はこれを受け、ロシアの駐デンマーク大使を呼び出した。

デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、ロシア側の行動を「無謀」だと非難し、「威嚇と分断を目的としたものだ」と述べた。

ロシアは今回の事件を「徹底的に調査する」としたものの、ヘリコプターがロシアの軍艦付近で「危険な操縦」を行ったとデンマークを非難した。

同じ14日の真夜中過ぎには、リトアニア領空にドローンが侵入し、北大西洋条約機構(NATO)の戦闘機が撃墜する事案が発生している。ロシアのウクライナ全面侵攻開始以来、NATOの東側の境界では安全保障上の脅威と緊張が高まっている。

デンマーク軍は15日の声明で、「(同国南部)ゲッサー沖の国際水域に位置していたロシアのフリゲート艦に対し、定例の写真撮影作戦を実施していた空軍のフェネック・ヘリコプター1機がフレアを発射された」と述べた。

声明によると、ヘリコプターに向けて発射された2発のフレアのうち、1発はヘリコプターのすぐ近くを通過したという。

デンマーク外務省はこの事件を「全く容認できない」と述べた。

ラース・ルッケ・ラスムセン外相は、ロシアが「許容されると自分たちで考える行動の範囲を徐々に広げている」と非難し、「それは我々が容認できないことだ」と付け加えた。

ロシアの駐デンマーク大使ウラジーミル・バルビン氏は声明の中で、ロシア政府は「事件のあらゆる状況を徹底的に調査する」と述べたが、デンマークのヘリコプターが「挑発的な行動」をとったとも非難。「デンマーク空軍のヘリコプターがロシアの軍艦付近で危険な操縦を行ったのは今回が初めてではない」と述べた。

バルビン大使は昨年も同様の事件について苦情を申し立てたと述べ、今回の事件は「コミュニケーションの問題がロシア海軍の艦船にあるのではなく、デンマーク側にある」ことを示していると付け加えた。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ソーシャルメディアへの投稿で、ロシアの行動は「無謀で危険だ」と述べた。

委員長はさらに、今回の事案は、リトアニア上空へのドローン侵入と合わせて、「ロシアによるヨーロッパへの侵略と挑発という、より広範なパターンの一部だ」と付け加えた。

デンマークのイェッペ・ブルース国防相はロイター通信に対し、フリゲート艦の乗組員はヘリコプターとの連絡を試みなかったと述べた。

バルト海を中心に、デンマーク、リトアニア、ポーランド、ロシアの位置が示された地図。ヘリコプターの事案が発生した位置も示してある

先にリトアニア上空でNATO戦闘機によって撃墜されたドローンは、日付が15日に変わってまもなく、隣国ベラルーシから、リトアニア南部にある第2の都市カウナス付近の上空に侵入したとみられている。

リトアニアの国家危機管理センターによると、ドローンの出発地はまだ特定されていない。同国のギタナス・ナウセダ大統領はXへの投稿で、ここ数カ月のロシアの攻撃性の高まりを指摘し、「ロシアがウクライナ侵略を激化させている今、こうした備えは、私たちの地域にとって極めて重要だ。NATO同盟国と協力し、リトアニアは領空を守っていく」とした。

リトアニアは南部と東部の大部分で、ロシアの重要な同盟国であるベラルーシと国境を接している。

これとは別にポーランドは14日夜、自国の領空で「航空作戦」を実施したと発表した。「ロシア連邦のジェット推進ドローンがウクライナ領土への攻撃を行ったため」だという。

声明によると、夜間の作戦は「予防的な性質」のものであり、「特に脅威にさらされている地域に隣接する空域の確保と保護」を目的としていると述べた。

バルト三国のエストニアとラトヴィアには今年、ウクライナのドローンが侵入している。そうしたドローンを撃墜するため、NATOの戦闘機がたびたび緊急発進している。

ウクライナは、飛行経路を変更するロシアの電子戦技術のせいで、ドローンがそれたとしている。