アメリカの弾薬備蓄が不足、対イラン戦争で 米国防総省の監察総監が報告

迷彩柄のパトリオットが草地に設置されている

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画像説明, 地対空迎撃ミサイルシステム「パトリオット」はイランとの紛争で多用されている。画像は、米軍需品メーカー「レイセオン」の本社にあるパトリオット(米マサチューセッツ州)
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バーント・デブスマン・ジュニア・ホワイトハウス担当記者

米国防総省の監察総監は14日、イランとの戦争がアメリカの弾薬の備蓄「不足」と供給の遅れを招いているとする報告書を公開した。アメリカが弾薬不足に直面しているとの見方を繰り返し否定してきたドナルド・トランプ大統領の主張と食い違う内容だ。

トランプ大統領はかねて、アメリカの弾薬供給は「事実上無制限」にあると主張し、不足を伝える報道を「フェイクニュース」だと批判してきた。

しかし、独立監視機関である国防総省監察総監室は、アメリカが2月から6月にかけて220億ドル(約3兆4000億円)以上を弾薬に費やし、その結果、「戦略的在庫の不足」が生じたと指摘した。

こうした報告について問われると、ホワイトハウスは、アメリカには「十分すぎるほど」の弾薬があると反論した。

今回の報告書は、通常は機密扱いとなっているアメリカの兵器備蓄の実態を、これまでに類を見ない、独自の視点で示したものとなった。

これまでに公表された複数の推計でも、アメリカの深刻な弾薬不足が浮き彫りになっていた。

米軍はイランとの戦争で、長距離対地攻撃システムに加え、イランからの攻撃を迎撃するための防空・ミサイル防衛システムを大量に使用している。

米戦略国際問題研究所(CSIS)が7月下旬に公表した推計によると、地対空迎撃ミサイルシステム「パトリオット」や終末高高度防衛(THAAD)ミサイルなど、一部の迎撃ミサイルの在庫は大幅に減少しており、場合によっては半分以下にまで落ち込んだという。

監察総監の報告書は、現時点で残っている兵器の正確な数は明らかにしていない。

同報告書は一方で、弾薬の在庫が不足していることを明確に示すとともに、補給を担う「防衛産業基盤にボトルネック」が生じていると指摘した。

報告書はまた、国防総省が現在、弾薬不足に対処し、「不測の事態に迅速に対応する」ために、「調達プロセスと生産から出荷されるまでにかかる時間の合理化」に取り組んでいると付け加えた。

しかし、ホワイトハウスは、監察総監室の評価を一蹴した。

アンナ・ケリー副報道官は15日に声明で、「米軍には、最高司令官が掲げる全ての戦略目標を達成し、さらにそれ以上のことを果たすための、十分すぎるほどの軍需品、弾薬、備蓄がある」と述べた。

トランプ氏や政権関係者も、弾薬不足を伝える報道は虚偽で、「反逆的だ」と主張している。

先月4日には、ピート・ヘグセス国防長官が、弾薬不足に関する報道は「事実ではない」と否定する内容をソーシャルメディアに投稿した。

また、トランプ氏は今月3日、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に長文を投稿。アメリカには「事実上無制限」の弾薬があり、「起こり得るあらゆる不測の事態に備え、備蓄と準備を進めている」と主張した。

監察総監の報告書は、装備損失が37億ドル(約5700億円)に達し、そのほかの支出が74億ドル(約1兆1000億円)に上ったとも明らかにした。アメリカは、2月28日から6月30日までの間に、総額334億ドル(約5兆2000億円)を対イラン戦争に費やした。

米議会予算局(CBO)が15日に公表した別の推計では、戦費は総額380億ドル(約5兆9000億円)と、より高い額が示されている。これには、使用した弾薬や戦闘で失われた装備の補充、航空機の飛行時間の増加と燃料費の高騰などが反映されている。

失われた装備には、F-15E戦闘機4機や、高性能なF-35統合打撃戦闘機1機、30機の大型ドローンMQ9が含まれている。これらは「さまざまな状況」で破壊されたという。

アメリカとイスラエルによる対イラン攻撃が始まった当初、トランプ氏はこの紛争は数週間以内に終わると繰り返し述べていた。

アメリカ国内では、対イラン戦争が支持を得られていないことが、世論調査で示されている。

9月上旬に公表された、ロイター通信と調査会社イプソスによる世論調査では、イランとの敵対行為が始まる前と比べて、アメリカの立場が強くなったと考える回答者は23%にとどまった。共和党支持者の間でも、そのように考える人は半数にとどまった。