「紛争下の性暴力」リスト、イスラエルとロシアを追加 国連

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国連は5月29日、「紛争関連の性暴力」の年次報告書を公表し、紛争地域で性暴力を行っている国のリストに、イスラエルとロシアを初めて追加した。
アントニオ・グテーレス国連事務総長の事務所の報告によると、国連は昨年、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区およびヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対する性暴力を31件確認した。うち13件は2025年に、18件はそれ以前の2年間に起きたとされる。
国連は、この報告は包括的なものではなく、「事案や傾向を示す」ものとして捉えるべきだとしている。
イスラエルは性的虐待疑惑を否定し、国連事務総長の事務所との関係を断つ意向を示した。
イスラエルのダニー・ダノン国連大使は、グテーレス氏が反ユダヤ的な虚偽を流布していると非難した。イスラエル国連代表部は、グテーレス氏が国連のトップである限り、事務総長の事務所との接触を拒否すると表明した。
性暴力について分かっていること
報告書によると、国連が性暴力を確認した事例の被害者は、男性14人、女性7人、男児9人、女児1人。イスラエルの軍や警察、刑務所当局の職員によるレイプ、集団レイプ、強制的に裸にさせる行為、性器への暴力行為などが含まれる。
国連は、性暴力問題の全面的な調査を試みたものの、イスラエル政府に妨害されたり、虐待行為を通報しないよう拘束者が脅迫を受けたとしている。
昨年の「紛争関連の性暴力」報告書では、イスラエルとの戦闘が続くガザのイスラム組織ハマスがリストに追加されている。
国連によると、ガザから解放された元人質12人が、ハマスによる性暴力について申し立てを行った。しかし、調査のための国連機関の立ち入りをイスラエル政府が拒否したため、これらの報告を裏付けることができなかったという。
グテーレス氏は当時、数多くの申し立てについて調査するともに、パレスチナ人拘束者の収容環境を改善するための措置を講じるよう、イスラエルに「通告」した。
それ以来、パレスチナ人拘束者に性的虐待が行われる傾向があることを示す、注目度の高い事例が相次いでいる。
悪名高いものとしては、イスラエル南部ネゲブ砂漠にあるスデ・テイマン軍事基地の収容施設での事例がある。流出した監視カメラ映像には、この施設に収容されているガザのパレスチナ人1人が、イスラエル人警備員5人から性的虐待を受けているとみられる様子が映っていた。
このパレスチナ人男性を診察した医師は、暴行を裏付ける傷が直腸にあることを確認した。この出来事は国際的な注目を集めたが、イスラエルの軍法弁護士は今年3月、警備員に対する起訴を取り下げた。
昨年12月には、パレスチナ人男性2人がBBCに対し、イスラエルの収容施設で拷問の一環として性的虐待を受けたと証言した。
イスラエルの刑務所当局は当時、「法律を完全に順守して」運営しており、そのような主張については承知していないと、BBCに説明した。
国連の拷問禁止委員会は昨年11月、イスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人に対し、「組織的かつ広範な拷問や虐待を行うという、事実上の国家政策」が存在することを示唆する複数の報告について、強い懸念を表明した。
こうした疑惑は、ハマスが主導した2023年10月7日のイスラエル奇襲以降、「著しく増加した」と、同委員会は指摘している。
最近では、米紙ニューヨーク・タイムズが、性的虐待の被害を訴えるパレスチナ人14人の証言に基づく内容を5月に報じ、イスラエル政府を激怒させた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とギデオン・サール外相は共同声明で、ニューヨーク・タイムズの報道内容は「イスラエル国家に対する報道内容として、現代の報道で最も醜悪かつゆがめられた虚偽の一つ」だと非難し、同紙を名誉毀損で訴えると表明した。
ガザで戦争が続く中、多数の人権団体は、イスラエル部隊による虐待行為に対する説明責任の欠如や、加害者が処罰を免れている状況を批判してきた。
英ロンドンに拠点を置く慈善団体「武装暴力に対する行動」(AOAV)は昨年、ガザでの開戦以降にイスラエル兵が行った犯罪行為に関するイスラエルの調査で、9割近くの事案が、過失が認定されず、あるいは解決に至ることなく終了したと報告した。調査対象となった52件のうち、禁錮刑が科されたのはわずか1件だったとされる。
こうした報告を受け、イスラエル軍は、「作戦行動中に発生した、法律違反の疑いがある例外的事案について、調査および操作手続きを行っている」と述べた。
さらに、イスラエル軍は「イスラエル法および国際法に基づく義務に従い」、犯罪の合理的疑いがある場合には、刑事捜査を開始していると付け加えた。
ロシア部隊もリストに追加
こうした中、ロシアの軍および治安部隊も、紛争地域における性暴力リストに初めて追加された。ウクライナでの戦争で、捕虜や民間人拘束者に性暴力を行ったと国連は指摘している。グテーレス事務総長は昨年の時点で、性暴力を停止するよう警告していた。
報告書によると、ロシア国内およびウクライナのロシア占領地域において、レイプや性器切除を含む、紛争関連の性暴力が310件確認された。被害者は男性280人、女性26人、少女4人だという。
ウクライナでの戦争は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの全面侵攻を開始した2022年2月から続いている。
ウクライナのアンドリー・シビハ外相は国連の最新報告を歓迎し、「真実と責任追及への苦難の道のりにおける重要な一歩」だと評価した。ロシア側はこれまでのところ、報告書について公にコメントしていない。











