世界25カ国・地域、アメリカより中国に好意的 米機関調査で初めて多数派に

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米調査機関ピュー研究所は15日、世界36の国・地域を対象にした調査で、アメリカより中国を好意的に見る人の方が多い国・地域が25に上り多数を占めたと発表した。同研究所の調査で、こうした結果が出たのは初めて。
アメリカを拠点とする独立系シンクタンクのピュー研究所の調査によると、多くの国・地域で中国に対する好意的な見方が過去最高水準に達した。一方で、アメリカに対する評価は低下していることが示された。
回答者は概して、アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の双方に対して低い信頼感を示した。ただ、習氏への評価はトランプ氏を上回った。
アメリカはこれまで通り、中国よりも個人の自由を尊重していると評価された。対して中国は、アメリカよりも他国の問題に干渉していないと評価された。
ピュー研究所は2月から5月にかけて、36の国・地域で計4万2000人以上を対象に調査を行った。

調査対象者は、アメリカと中国という大国に対する印象を、「非常に好意的」、「やや好意的」、「やや非好意的」、「非常に非好意的」の中から選んだ。
調査の結果、36の国・地域のうち25で、アメリカよりも中国に好意的な見方を持つ人の方が多いことが分かった。
この調査に携わった研究者の一人、ジョナサン・シュルマン氏によると、ピュー研究所は2002年から米中に対して世界が持つ印象を追跡調査してきたが、これほど多くの国で中国への好感度がアメリカを上回ったのは初めてだという。
同研究所の調査ではこれまでにも、アメリカに対する好意的な見方が減った時期があった。2008年のジョージ・W・ブッシュ政権終盤や、2017年の第1次トランプ政権初期がこれにあたる。
しかし、そうした時期においても、中国に対する好意的な見方はアメリカに対するものと同程度か、やや低い水準にとどまる傾向にあったと、シュルマン氏はBBCに述べた。
今回、好感度が中国側へ大きく傾いたのは、スペイン、インドネシア、イタリア、ギリシャ、カナダなどだった。
中国よりもアメリカを好意的に見ている国は、アメリカの強固な同盟国を中心とする6カ国にとどまった。内訳は、ポーランド、フィリピン、韓国、インド、日本、イスラエル。
ピュー研究所はまた、20カ国で近年、アメリカに対する好感度の中央値が着実に低下している一方、中国に対する好感度の中央値が上昇していることも確認した。

研究者たちは、アメリカを含む拡大データセットに基づき、調査対象国の3分の1以上で近年、中国に対する好意的な見方が増加していることも確認した。
今年調査された国の中では、イタリア、スペイン、コロンビア、メキシコ、インドネシア、マレーシア、ナイジェリア、トルコなどで、中国への肯定的な見方が過去最高水準に達した。
研究者たちによると、中所得国では概して、中国への見方が肯定的な傾向にあり、より裕福な国では否定的な見方が強い傾向があった。
こうした傾向と一致しなかったのは、シンガポールだった。同国は調査対象国の中で1人当たりの国内総生産(GDP)が最も高いが、中国への肯定的な見方も高かった。
今回の調査で、中国に対する最も肯定的な見方と最も否定的な見方が示されたのは、いずれもアジア太平洋地域だった。パキスタンでは約90%の人が中国を好意的に見ている一方、日本では11%にとどまった。
習氏とトランプ氏
調査では、世界情勢に関して正しいことを行う人物として、習氏とトランプ氏を信頼できるかどうかも、回答者に尋ねた。
結果はおおむね、両首脳に対する信頼度が低いことを示し、調査対象国の大半で50%を下回った。ただ、それらの国の多くで、トランプ氏より習氏により高い信頼を寄せる傾向がみられた。
習氏への評価が最も高かったのはパキスタンの83%で、最も低かったのは日本の7%だった。
トランプ氏への評価が最も高かったのはフィリピンの68%で、最も低かったのはヨルダン川西岸地区・東エルサレムの4%だった。
前出のシュルマン氏は、この調査では概して、「人々は習氏について、ほかの指導者に対するほどの強い意見を持っていない」ことが示されたと説明。
一方でトランプ氏については、「人々に回答する意欲がより見られ、その解答が極端なものになる」傾向があったとした。
今回の調査では、国民の個人の自由を尊重している政府としては、中国よりもアメリカを挙げる人が依然として多かったものの、その差が縮まっていることも明らかになった。
ピュー研究所は複数の中所得国で追加の質問を実施し、米中の外交政策に対する見方も調べた。
その結果、アメリカが他国の問題に「非常に」または「ある程度」干渉していると感じるとの回答の中央値は75%だった。中国については45%だった。
「アメリカの不安定さが多くの人を不安に」
近年、ほかの複数機関も同様の調査を実施している。
世論調査会社ギャラップが行った調査では、中国は昨年、世界的な支持率でアメリカを上回り、その差が過去20年で最大になったことが示された。
一方、アメリカのシンクタンク「アジア・ソサエティ」が毎年実施している、中国に関する国際意識調査では、新型コロナウイルスのパンデミック中に低下した中国のイメージはその後、緩やかにしか回復していないことが示された。
米カーネギー国際平和財団のシンクタンク「カーネギー・チャイナ」の学者チョン・ジャイアン氏は、ピュー研究所の最新の調査結果は驚くべきものではないと指摘した。
「武力行使や、それによって生じる経済的損害を含め、アメリカの政策の不安定さが多くの人を不安にさせている」と、チョン氏は述べた。
ピュー研究所の調査は、トランプ氏が北極圏にあるデンマーク自治領グリーンランドの取得をめぐる発言を強め、アメリカがヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領(当時)を拘束して間もない時期に開始された。調査期間中には、アメリカはイランとの戦争も始めた。
チョン氏は、「中国が絶対的に人気があるかどうかは定かではないが、現時点ではこれまで以上にそうだと予測できる存在になっているように思われる。中国政府も、特に発展途上国において、自国のイメージを向上させようと懸命に動いている」と述べた。
中国への高い好意度と、習氏への比較的低い信頼度の差については、中国は「より予測可能なのかもしれない。それゆえに、一部の人に安心感を与えている可能性がある。だからといって、習氏が主要な権威主義的指導者であるという事実が変わるものではない」と、チョン氏は指摘した。
チョン氏によると、習氏の指導のもと、中国は「より強硬かつ広範な主張を展開し、他国に対して自国の世界観に協調するよう一層求めるようになった」。また、中国の少数民族の扱いをめぐる疑問も残っていると、チョン氏は述べた。
「人々は、より強制的で、経済的にあまり有益ではない政策については習氏個人と結びつけようとするが、技術的進歩といったより肯定的な要素については、より広義の中国と結びつけているのだと思う」









