「死ぬ時は一緒」、ライアンエアー機の窓が壊れ男性客が肩まで吸い出される 妻が当時の状況を語る
ギリシャ・テッサロニキからドイツ・メミンゲンへ向かっていたアイルランドの格安航空ライアンエアーのボーイング機で10日、窓が壊れ、男性客が機外に吸い出されそうになる事故があった。男性の脚をつかみ続けたという妻は、「(夫の)右肩と頭が機外に出ている状態だった」と当時について語った。
夫リュビシャ・カロヴィッチさんと一緒に当該機に乗っていたスヴェトラーナ・グルコヴィッチさんは、BBCセルビア語に対し、ほかの乗客2人が助けに入り、約2分後に夫を機内へ引き戻すことができたと明らかにした。
「みんなで一緒に夫を引き戻した」と、グルコヴィッチさんは当時を振り返った。「夫の顔は変形し、鼻と口から血が流れていた」。
グルコヴィッチさんはセルビア・メディア「Nova」に対し、夫が吸い出されそうになって「すぐ反応して脚をつかんだ」と話した。「『死ぬ時は一緒だ』と思った」とも述べた。

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グルコヴィッチさんはギリシャ公共放送ERTに対しては、機体のエンジンの一部が外れ、それが夫の真横の窓を突き破り、機内の気圧が急速に低下したようだと話した。ほかの複数の乗客も、爆発音のようなものを聞いたと証言している。
グルコヴィッチさん一家の依頼を受けた技術顧問は、今回の事故は機体右側のエンジンの不具合に端を発したもので、エンジンの破片が衝突したことで客室の窓が破損し、機内の気圧が急速に低下したと見ている。調査当局はこれまでのところ、この見解を追認していない。
複数の乗客は地元メディアに対し、カロヴィッチさんがシートベルトを着用していたおかげで、頭と肩が機外に出ている間も、乗客たちはカロヴィッチさんをつかんでいられたのだと話していた。
グルコヴィッチさんによると、61歳の夫は「重傷を負い、ショック状態にある」という。
「夫が生きていることが私にとって何より大事だが、(中略)特に手のけががひどく、やけども負っている。意思疎通ができない状態で、何が起きたか全く覚えていない」
グルコヴィッチさんは、「飛行機について何か話を聞くたびに、夫は震え始める」と、ギリシャ公共放送ERTに話した。「私も精神的にすごく参っている。(中略)自分たちの命の危険を感じたので。飛行機が墜落するんじゃないかと恐ろしかった」と付け加えた。

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グルコヴィッチさんは、この辛い体験が頭から離れないという。
「あのことを考えないで済むよう、常に何かをして過ごしている。けれども、あの光景がどうしても頭から離れない。昨日エレベーターに乗った時には、突然、ひどい息苦しさを感じた」
「私たちがまた飛行機に乗れるようになるのかは、分からない」
当該機は離陸から約10分後に突然、9000フィート(約2700メートル)急降下していたことが、追跡データで示されている。
ライアンエアーは声明で、10日朝にギリシャ・テッサロニキからドイツ・メミンゲンへ向かっていた便について、「飛行中に客室内の窓が外れたため、離陸後間もなく」引き返したと説明した。
「当該機は通常通り着陸し、乗客はターミナルへ戻った。乗客1人が医療支援を要請し、(着陸後に)テッサロニキで処置を受けた」
事故機に乗っていたというクリスティナさんは、ラジオ・テッサロニキに対し、「気圧が低下していることに、みんなすぐに気づいた。悲鳴が上がった(中略)一瞬、誰かが誤って非常口を開けたのかと思った」と話した。
別の乗客のソフィアさんもラジオ・テッサロニキに対し、「飛行機が墜落すると思った。気圧が極端に低下して、息ができないような感覚だった。けがをした男性は出血していて、その後、何度も意識を失っていた。おそらく酸欠とショックが原因だと思う」と述べた。
事故機は、就航から18年が経過していたとみられる。ライアンエアーの子会社マルタ航空が運航していた。
テッサロニキ空港を運営するフラポート・ギリシャは、「この事案については現在、ギリシャ航空・鉄道安全調査当局による調査が進められている」と説明した。
カロヴィッチさんは現在も入院しており、事故原因に関する調査が続いていると、地元メディアは報じている。
当該機は米ボーイング社の737-800型機。北マケドニアの空域で事故が起きたことから、ボーイング、米連邦航空局(FAA)、欧州航空安全機関(EASA)をはじめ、複数の国際航空当局の調査官が調査に協力している。
(追加取材:ニコス・パパニコラウ)















