イギリス猛暑、5月と6月の熱波で2700人以上死亡の可能性 研究チームが推定

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ミシェル・ロバーツ・デジタル健康編集長、マット・マグラス環境担当編集委員
5月と6月にイギリスを襲った異常な猛暑により、2700人以上が熱中症で死亡した可能性がある。インペリアル・コレッジ・ロンドン、イギリス気象庁、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームが13日、推計を発表した。極端な暑さの危険性に関する、既知の情報に基づいているという。
研究チームによると、死者のほとんどは6月の熱波によるものだという。この熱波によってイングランドは史上最も暑い6月を経験し、ノーフォーク州リングウッドでは気温が37.7度に達し、1957年に記録された過去最高の35.6度を大幅に更新した。
6月の熱波の最中には、イングランドとウェールズの一部地域で異例の猛暑警報を意味する「赤色警報」が発令され、当局は健康な人にも生命の重大な危険があると警告した。
静かな殺人者
一方、5月26日にロンドン近郊のキューガーデンで35.1度を記録し、5月の気温としてイギリス史上最高気温を更新した。これ以前は、1922年と1944年に記録された32.8度が最高で、今年はこれを大幅に上回った。
専門家によると、相次ぐ熱波はいずれも「ヒートドーム」が原因だったという。高気圧が停滞し、高温の空気をその地域に閉じ込める現象だ。
研究チームは、このヒートドーム現象は人為的な気候変動によって悪化したと指摘する。人為的な気候変動によって、地球の気温は工業発達以前から約1.4度上昇しており、これが5月と6月の最高気温を3~4度上昇させたと、研究チームは見ている。
蒸し暑い熱帯夜は、うだるような暑さをさらに悪化させ、イギリスの住民は一息をつくことができなかった。
イギリスの住宅の多くは、高い気温に対応できるようには設計されていない。住民は、長期間続く高温の影響を強く受けている。
暑さは体に大きい負担をかける。脱水症状を起こしていれば、体への負担はさらに大きくなる。体温を下げるために心臓がより強く、より速く拍動するからだ。
乳幼児や高齢者、そして持病のある人は、最も被害を受けやすいグループに含まれる。
暑さによる体への負担は、心臓発作や脳卒中など、命に関わる緊急事態を引き起こすリスクを高める。
猛暑は、健康な人を含め、誰にでも影響を与える可能性がある。初期症状が見過ごされやすいため、「静かな殺人者」と呼ばれる。
そして、今年の6月がそうだったように、暑い空気の湿度が極めて高い場合、汗をかいて体温を下げるのが難しくなる。

熱波の頻度が上がる可能性
今回の研究では、過去の死亡記録を使い、2026年5月と6月にどれだけの死者が出た可能性があるか、推定値を出した。
この調査は、人が暑さによってどれほど深刻な影響を受けたかについて、仮説を立てて推定値を出している。そのため、調査結果が必ずしも現実と合致するとは限らない。
研究に参加したロンドン・インペリアル・コレッジの異常気象と気候変動の専門家、クレア・バーンズ博士は、「この推定値を公表することで、暑さの危険性を大勢が認識して次の熱波の時に行動を変えてくれれば、それによって私たちの推定値は実際よりも高かったということになれば、私はとてもうれしい」と話した。
自分たちの研究が示した推定値は「大変、大きい数字だし、これほど大勢に死んでほしくない」とも、バーンズ博士は話した。
専門家たちは2025年は熱中症による死亡者数が非常に多い年になると考えていたが、実際の死者数は予想を大きく下回り、予測されていた約半数の3039人にとどまった。
英保健安全庁(UKHSA)によると、熱中症に関する健康被害について警告したことに加え、国民保健サービス(NHS)や介護システム全体で対策をとったことで、暑さの影響を軽減できたのかもしれないという。
現状のまま推移すれば、北ヨーロッパの一部地域では、熱中症による死者数が数十年以内に、寒さによる死者数に匹敵するようになるかもしれないという研究者もいる。
ただし、その結果は、世界がどれだけ早く温室効果ガスの排出量を削減できるか、そして各国がどれだけうまく適応できるかに大きく左右されると、研究者たちは強調する。
温室効果ガスの排出量が増加するにつれて、熱波はより頻繁に、より激しく、より長く続くようになると予想されている。















