ロシアのドローンが東欧ルーマニアの集合住宅を直撃、2人負傷 EUやNATOが厳しく批判

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ミルセア・バルブ記者(ブカレスト)、クリス・グレアム記者
ルーマニアの国防省は29日、東部の集合住宅にロシアのドローンが直撃して火災が発生し、2人が負傷したと発表した。ルーマニアが加盟する北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)は、この事案を厳しく批判している。
ロシアのドローンは29日未明、ルーマニア東部の、ウクライナおよびモルドヴァとの国境に近い町ガラツの集合住宅を直撃した。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ロシアの「侵略戦争がまたしても一線を越えた」と指摘。NATOも声明で「ロシアの無謀さ」を非難した。
ウクライナとの4年にわたる戦争で、ロシアのドローンが国境を越えてルーマニアに侵入した例はこれまでにもあるが、ルーマニアの民間人が負傷したのは今回が初めて。ロシアはこの件についてまだコメントしていない。
ルーマニアの緊急事態当局は、ドローンに搭載されていた爆発物の全量が爆発し、集合住宅の10階で火災が発生したと述べた。
消防当局によると、現場では2人が擦り傷を負って治療を受けた。また、消火活動中に住民ら約70人が避難したという。
ルーマニアのニクショル・ダン大統領は、最高防衛評議会の緊急会議を招集。ロシアのドローン攻撃を、「ロシアによるウクライナへの侵略戦争開始以来、ルーマニア領土を襲った最も深刻な事件」と表現した。
ルーマニアの国防省によると、領空内でドローンを検知した後、F16戦闘機2機が緊急発進した。同省のゲオルゲ・マキシム准将は、ドローンの検知から着弾までわずか4分しかなかったと語った。
マキシム准将は、ルーマニア軍はウクライナの領空を侵犯するような弾薬を発射できないため、大きな制約を受けていると説明。
「ウクライナは戦争状態にあるが、ルーマニアは平時だ。我々はウクライナの領空に向けて発射体を発射することはできない」と述べた。
ルーマニア軍は、これはルーマニアに対する攻撃ではなく、「国境付近で発生した紛争が、地元住民に影響を及ぼしたもの」と説明し、国民を安心させようとしている。
外務省は、「この事案はロシア連邦による重大で無責任なエスカレーションを示すものだ」と指摘。この件をNATO事務総長に報告し、「ルーマニアに対ドローン・システムを移転する措置を加速するよう要請した」と付け加えた。
また、「これらのドローンの1機がルーマニア領空に侵入し、ガラツ市までレーダーで追跡され、集合住宅の屋根に墜落し、その衝撃で火災が発生した」と説明した。
ルーマニアとウクライナは、ドナウ川を国境として隣接している。ウクライナの港湾はロシアの空爆の標的となることが多い。
ガラツでは4月にも、ロシアのドローンによる被害が出たが、負傷者はなかった。
ルーマニア国防省によると、ウクライナでの戦争開始以来、ルーマニア国内では47回にわたりドローンの破片が発見されている。うち12回は今年に入ってからだという。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2022年2月、ウクライナへの全面侵攻を開始した。

ウクライナでは28日から29日にかけ、全国で空襲警報が出された。当局によると、南部オデーサ州のイズマイル港が、29日未明にドローン攻撃を受けた。
一方、ロシアが占領するウクライナ東部ドネツク州では28日、ウクライナのドローン攻撃により公共インフラの作業員3人が殺され、1人が重傷を負ったと、ロシアが任命した同州トップが述べた。











