米著名ラッパー2パックさん殺害、30年越しに元ギャングリーダーに有罪評決

黒人男性が運転する車の助手席に座った若い黒人男性が窓の外のカメラを見ている

画像提供, Reuters

画像説明, 公判中に法廷で提示された、トゥパック・シャクールさん(左)の1996年撮影の写真
Published
この記事は約 3 分で読めます

1996年9月に米人気ラッパーのトゥパック・シャクールさん(通称2パック、当時25)がラスヴェガスで射殺された事件で、ネヴァダ州地裁の陪審は31日、殺人罪に問われた元ギャングリーダーのドゥエイン・デイヴィス被告(63)に有罪評決を下した。ヒップホップのファンが30年近く注目してきた未解決事件において、初めて有罪評決が出た。

ラップ界のスーパースターで絶大な人気を誇り、影響力の強かったシャクールさんは1996年9月7日、通りすがりの車から撃たれて死亡した。シャクールさんのレコード売り上げは世界的に7500万枚を超える。

州地裁の陪審は、凶器を用いた殺人罪1件で「キーフィー・D」ことデイヴィス被告を有罪と判断した。被告は事件当時、ストリートギャング「サウスサイド・コンプトン・クリップス」のリーダーだった。

黒いスーツ姿のデイヴィス被告は、表情を変えずに評決の読み上げを聞いた後、上訴すると述べた。シャクールさんの親族は手をつなぎ、中には抱き合って涙を流す者もいた。

裁判所の外では、シャクールさんの熱烈なファンが大勢集まり、泣きながら歓声を上げた。

裁判官は、10月13日にデイヴィス被告への量刑を言い渡すと発表した。

紺のスーツに黒いシャツ姿の男性が横目でカメラを見ている。後ろには制服姿の廷吏がいる

画像提供, AFP via Getty Images

画像説明, クラーク郡地方裁判所に出廷したデイヴィス被告(8月27日、ネヴァダ州ラスヴェガス)

検察は公判中、デイヴィス被告が、シャクールさんを殺害した銃を発砲したわけではないものの、発砲を指示し、自分のおいが犯行に使った銃を提供したと主張した。

被告のおい、故オーランド・アンダーソンさんは、シャクールさん殺害の実行犯とかねて疑われていたが本人はこれを否定。1998年5月に別の発砲事件で、23歳で殺害されている。

今回の裁判で検察は、このアンダーソンさんがラスヴェガスでシャクールさんやその仲間とけんかになったため、その報復として、デイヴィス被告が銃撃を計画したのだと主張していた。

デイヴィス被告はこれまでに、別のラッパーの死亡に関する警察の事情聴取や、自分の著書などで、シャクールさん殺害に自分がどう関与したかを語っていた。

弁護団は今回の審理を通じて、被告のそうした発言は虚勢を張るため、あるいは本をうるためのうそだったと主張した。一方、検察は、被告本人が繰り返した、関与を認める発言を信じるよう陪審に呼びかけた。

この事件は30年間、アメリカで最も有名な未解決事件の一つとして語り継がれ、数え切れないほどの陰謀論を生み出してきたが、これまで誰に対しても有罪評決は出ていなかった。

シャクールさんの殺害は、東海岸と西海岸のラップシーンが激しく対立していた時期、そして当時ヒップホップ界に強い影響を与えた「ブラッズ」と「クリップス」のギャング抗争の最中に起きた。