イスラエルがレバノン首都を攻撃、停戦発効後で2回目

サマンサ・グランヴィル(ベイルート)、ポーリン・コーラ
イスラエルは28日、レバノンの首都ベイルートを攻撃した。首都が攻撃されるのは、両国が4月に暫定的な停戦で合意して以降で2回目。
イスラエル国防軍(IDF)は、現地時間同日午後2時ごろに「標的を絞った形で」攻撃を実施したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。イスラエルのメディアは匿名の情報筋の話として、攻撃の標的はイラン系民兵組織の指導者だったと伝えた。
IDFによると、イスラエルはこれまで、アメリカの要請によりベイルートへの攻撃を控えていた。今回の攻撃は、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの、同国南部にあるインフラを狙った空爆の後に行われた。
イスラエルと、イランの支援を受けるヒズボラは、停戦違反を繰り返しているとして互いに非難し合っている。

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ベイルートにおけるヒズボラの拠点で、シーア派住民が密集して暮らすダヒエでは、攻撃の後、住宅建物から濃い煙が立ちのぼる様子が確認された。
救助隊が現場に急行する中、人々は近隣住民や親族に声をかけ、安全を確認した。
モハマドさんは攻撃が起きた時、眠っていたという。外へ駆け下りると、生後3カ月の赤ちゃんが地面に横たわっているのを見つけた。病院に連れて行ったが、その赤ちゃんは助からなかったという。
「ここには何もない」とモハマドさんは手を振りながら述べた。
「ここで起きていること、この圧力はすべて、私たちにヒズボラを憎ませるためのものだが、そんなことにはならない。私たちはそんなふうに他者に背を向けるような人間ではない」
イスラエルのメディアによると、攻撃の標的は、ヒズボラと同盟関係にあるイラン系民兵組織のイマーム・ホセイン師団のミサイル部隊トップ、アリ・アル・フスニ氏だったという。
レバノン南部でもイスラエルの攻撃
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は先に、レバノンに地上作戦の拡大を発表。占領するレバノン南部に展開するイスラエル部隊や、イスラエル北部で暮らす民間人を、ヒズボラがドローンで攻撃したのを受けたもので、IDFは27日、レバノン南部の住民に対し、イスラエルとの国境から約40キロ離れたザフラニ川より北へ避難するよう呼びかけた。
レバノンの保健省によると、イスラエルが28日早朝に、南部の大都市ティールとその東側の地域に行った2件の攻撃で、少なくとも11人が殺された。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、炎によって街がオレンジ色に照らされ、煙に覆われた道路や、少なくとも1台の車両が炎に包まれる様子が映っていた。
日中には、高層住宅群の近くで巨大な火球が噴き上がる様子が撮影され、キノコ雲のような煙の柱がティール上空に立ち上った。
周囲の通りにがれきが広がる中、住民たちは衝撃を受けた様子でその光景を見守っていた。
ティールにいるヒズボラの一員はBBCに対し、状況が依然として「危険すぎる」ため、救助・復旧作業が中断を余儀なくされたと説明。また、作業員らがイスラエル軍から退避を求める電話を受けたと語った。
27日の避難命令の対象地域は、およそ300の町や村が含まれ、レバノンの国土の約14%に及ぶ。4月17日に両国間で停戦が発効して以降で、最大規模の避難命令となる。
レバノン南部の他の地域からすでに避難してきた人々も含め、多くの住民は、明確な避難先を持たない状況にある。
ザフラニ川の北側、ベイルートの南郊に位置するサイダはこれまで、ティールやナバティエといった他の都市ほど激しい攻撃は受けていない。
28日も、街は異様なほどのにぎわいを見せていた。海沿いの地域には昼食をとる海水浴客があふれ、避難民のためのテントは一つも見当たらなかった。
しかし、避難所は定員を超えており、人道支援関係者や市の当局者は避難民に対し、さらに北へ移動するよう求めている。ここにはもはや受け入れる余地がない。
サイダは避難命令の対象地域には含まれていないが、同市に住むハナア・ジャマーさんは28日未明、自身が所有するアパートが攻撃を受けたと知り、衝撃を受けた。
ミサイルは同日午前2時40分ごろに建物に命中。屋上に当たった後、建物を貫くように下層階を破壊したとみられる。
この攻撃で5人が殺され、21人が負傷した。
ハナアさんからアパートを借りていた男性は、3年間そこに住んでいたという。ハナアさんは、その男性は民間人だったと述べた。
「私たちはヒズボラ側でもイスラエル側でもない」
「ただ平和を望んでいる」
イスラエル当局は、ヒズボラの攻撃がイスラエル政府とレバノン政府の間の一時的な停戦合意に違反していると指摘している。この合意は発効後、2度にわたって延長されている。
一方、レバノン当局は、イスラエルの空爆そのものが違反だと指摘している。
こうした緊張の激化は、戦闘のきっかけとなった米・イスラエルとイランの戦争を終結させる試みを頓挫させる恐れがある。イランは、いかなる合意もレバノンを対象に含める必要があると主張。一方のイスラエルは、ヒズボラの脅威に対して戦闘を継続する権利があるとしている。
イランの最高指導者をアメリカとイスラエルが空爆で殺害したことへの報復として、ヒズボラが3月2日にイスラエルに向けてロケット弾を発射したため、レバノンは戦争に巻き込まれた。イスラエルはヒズボラの攻撃に対し、レバノン各地への空爆と地上侵攻で応じた。
レバノン保健省によると、戦争が始まって以降、同国では少なくとも3320人が殺害されたという。同省の統計は戦闘員と民間人を区別していない。
イスラエルは、同じ期間に国境の両側でイスラエル兵23人と民間人4人が殺害されたと発表している。









