フィリピン沖でフェリー火災、35人死亡50人超行方不明 40時間以上たって救助隊員が乗り込む

動画説明, フィリピン・コロン島の近海で炎上するフェリーの動画。救助隊が救助活動を行っている(フィリピン沿岸警備隊提供、一部音声なし)
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フィリピンの首都マニラを出港したフェリーが9日夜、パラワン州の人気観光地コロン島の近海で火災に見舞われた。これまでに35人の死亡と43人の救助が確認され、50人以上が行方不明となっている。有毒な煙と熱のため、救助隊はフェリーに乗り込むことができなかったが、火災発生から40時間以上たった11日正午前、初めて船上で捜索活動を開始した。

フィリピン沿岸警備隊によると、救助活動に当たる隊員らが11日午前11時30分ごろ、火災があったフェリー「MVジューン・アスター」号に乗り込んだ。

沿岸警備隊のノエミ・カヤビャブ広報官は、フェリーの貨物室から消火活動を再開する予定だと説明した。

同隊は以前、生存者への聞き取りから、火災は貨物室で発生した可能性が高いとしていた。また、乗客には救命胴衣を着用していなかった人もいたようだとしていた。

広報官によると、救助・捜索チームは活動範囲を拡大している。ダイバーや看護師も同行しているという。また、上空からも状況を調べているという。

広報官はこの発表よりも前、「まだ濃い煙が立ち込めているのが見えており、船内に乗り込むのが非常に困難な状況となっている」とBBCに説明していた。また、現地メディアには、「私たちがいくら努力しても、高温と有毒な煙が依然として隊員にとって深刻なリスクになっている」と話していた。

不完全燃焼によって発生する煙には、致死性の高濃度の一酸化炭素が含まれる。

沿岸警備隊が11日朝に公開した写真では、焼け焦げた同船からまだ煙が立ち上っていた。だが、同日午後に撮影された写真では、煙は収まっているように見える。

海面に浮かぶ焼け焦げたフェリーから煙が上がっている。背後には浜や木々が見える

画像提供, Philippine Coast Guard

画像説明, フィリピン沿岸警備隊が11日朝に公開したフェリーの写真

火災が発生した船から脱出し、救助艇で安全な場所に引き上げられたローランド・レルマさん(30)は、船内で必死の叫び声が聞こえたと、当時の様子をBBCに話した。

炎上する船から脱出しようとした際には転倒し、「床に倒れていた私を人々が踏みつけてきた」という。はいずり回った末に海に飛び込むと、同じように飛び込んだ子どもたちの姿が見えたという。

「(海は)冷たかった。救助が遅れていたら、私は間違いなく死んでいただろう」

水面に浮かぶ焼け焦げた船の残骸を空撮した写真

画像提供, Philippine Coast Guard

画像説明, 救助チームは11日に捜索範囲を拡大したという

このフェリーは2002年の建造。有効な安全証明書があり、今年3月の検査にも合格していたとされる。

現地紙パラワン・デイリーは、積荷が目録通りだったか、貨物積載に問題がなかったか、乗組員の緊急対応手順は適切だったかなどについて、当局が調べを進めていると報じた。

運航会社アティエンサ・インターアイランド・フェリーズは、調査に全面的に協力するとしている。