アメリカ、イランに「大規模な」攻撃を開始 米軍に対するミサイル発射に報復と

画像提供, Reuters
ジュード・シーリン記者、ヘレン・サリヴァン記者(BBCニュース)
アメリカの中央軍は29日、イランが米軍に対する弾道ミサイル攻撃を試みたことへの報復として、イランに「大規模な」攻撃を行ったと発表した。
米中央軍は声明で、イランが28日にヨルダンの米軍基地とホルムズ海峡の船舶に向けてミサイルを発射したことへの報復として、イスラム革命防衛隊(IRGC)の「数十」の標的を攻撃したと述べた。
28日にはアメリカとサウジアラビアが共同で、イラクにある「イランを支持するテロリスト」の拠点を攻撃したと発表。こうした攻撃が公表されたのは初で、紛争が拡大するなかで新たな攻撃が行われた。
アメリカとイスラエルが2月にイランへの軍事攻撃を開始した際、ドナルド・トランプ大統領は戦争は数週間で終わると述べたが、5カ月たった現在も終結の見通しは立っていない。
アメリカのニュースサイト、アクシオスは29日、匿名の米当局者の話として、トランプ大統領がサウジアラビアのハリド・ビン・サルマン国防相と会談し、同相がサウジアラビアは緊張緩和を望んでいると伝えたと報じた。BBCはホワイトハウスにコメントを求めている。
イランをめぐる紛争は、数日間の比較的平穏な時期を経て再燃した。
この数日間、イランとアメリカは互いに攻撃を停止し、何らかの外交的解決を期待して協議が再開されたようだった。トランプ氏はこれを「とても友好的な交渉」と呼んだが、イラン側は協議が行われていることを否定した。
29日の攻撃は米東部時間午後8時(日本時間30日午前9時)に始まり、約1時間続いた。米中央軍はこれを「前日のイランによる中東駐留米軍への攻撃の試みに対する強力な報復」と表現した。同軍によると、イランのミサイルはすべて迎撃された。
攻撃完了後、米中央軍は「軍事司令部、ミサイルおよびドローン施設、沿岸監視・防衛拠点、海上能力」を標的としたと発表した。
一方、攻撃発表の数時間前、トランプ大統領は前日にイランが米軍を攻撃しようとしたことへの報復を誓った。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「今度は我々が反撃する番だ。だから、我々は彼らを徹底的に攻撃するつもりだ」と語った。
「彼らはそれが起こることを知っている。そして、私たちにそうしないように頼んできた」
イラン革命防衛隊(IRGC)は、ヨルダンにある米軍基地と司令部を標的にしたのは「アメリカの子ども殺しの軍隊による侵略行為への報復」だと述べた。
イラン海軍は、ホルムズ海峡で石油タンカー3隻を攻撃したと発表した。これらのタンカーが「警告を無視」し、重要な水路を通る「危険かつ違法な航路」を航行したためだと説明している。
トランプ氏は24日、13夜連続で行われていた大規模な爆撃作戦を中止。アメリカは、これらの攻撃でイランの兵器と軍事施設を標的としている。一方、多数の死者が出たと報じられている。
米中央軍は28日、米・サウジアラビアの合同攻撃は「過去72時間以内にイラン革命防衛隊が指示した30件以上のドローン攻撃に対する強力な報復として、イラク東部全域の複数のテロリストの兵站(へいたん)拠点と武器庫」を攻撃したと発表した。
イラクの準軍事組織「人民動員部隊(PMF)」は、米・サウジによる拠点への攻撃で、少なくとも20人の戦闘員が死亡したと発表した。PMFはイスラム教シーア派の民兵が中心となった部隊で、イランの支援を受けている。
イラクの大統領府は、PMF拠点への爆撃を非難し、「容認できない攻撃であり、イラクの主権に対する明白な侵害だ」と述べた。
しかしトランプ氏は米FOXニュースに対し、今回の攻撃は「イラク政府と連携して行われた」と述べた。
自らをイスラム教スンニ派の主要国とみなすサウジアラビアと、シーア派最大の国であるイランは、数十年にわたり、地域の覇権をめぐって争っている。












