【米中間選挙2026】民主党、トランプ氏の政治地図を打ち砕く

赤いTシャツを着た女性たちが喜びの表情を浮かべている
画像説明, メイン州ポートランドの民主党の集会で、開票結果を喜ぶ党員たち(3日)
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アンソニー・ザーカー北米特派員

3日に投票が行われたアメリカの中間選挙の夜、民主党は共和党のドナルド・トランプ大統領の政治地図を打ち砕いた。この夜の衝撃は、今後数年にわたり、アメリカの政界に響き続けるだろう。

トランプ大統領の2期目の任期が折り返し地点を迎える中、民主党は下院で決定的な支配権を握り、上院でも過半数を奪還する見通しだ。

これにより、民主党はトランプ氏の政策を阻止できるようになる。政権に対する調査も開始できる。歴史的な3度目の弾劾手続きが行われる可能性も浮上している。

共和党が議会両院を完全支配する状態で2025年1月、トランプ氏がホワイトハウスに復帰した後、このような結果に至ると予想した者はほとんどいなかった。

トランプ氏は、BBCがアメリカで提携するCBSに対し、連邦議会の民主党議員と協定を結ぶと約束。任期最後の2年間を、民主党の法案を拒否し続けるすることに費やしたくはないと付け加えた。

しかしその後、トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルースソーシャル」に、トレードマークの赤い野球帽に「veto(拒否)」の文字が刻まれた写真を投稿し、その発言の信頼性をいささか損ねてしまった。

トランプ氏はさらに、今年は自分の名前が投票用紙に記載されていなかったが、もし記載されていれば共和党が決定的な勝利を収めていただろうと指摘した。

しかし、トランプ氏は共和党候補者の多くを後押ししており、投票日前には有権者に対し、自分が再選を争っているかのように振る舞うよう促していた。

日本時間4日午後4時前の、下院の開票結果を示す全米地図。共和党の地盤だったフロリダ州やテキサス州、南部や中西部の一部で民主党が勝っているのが分かる
日本時間4日午後4時前の、上院の開票結果を示す全米地図。メイン、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テキサス、オハイオ、カンザス各州で民主党が逆転勝利した

勢いづく民主党

早い時点で民主党の勢いを示したのは、サウスカロライナ州の連邦上院選だった。今年7月に71歳で死去した共和党の重鎮リンジー・グレアム議員に代わり、この議席に座っていた妹のダーリーン・グレアム氏を、民主党のアニー・アンドリュース候補が破った見通し。

共和党が長年牙城としていた同州でこの議席が接戦になるなど、そう予想するアナリストは数カ月前までほとんどいなかった。

一方、1年前には激戦になると予想されていたジョージア州とノースカロライナ州での上院選は、いずれも民主党が圧勝した。ジョージア州では現職のジョン・オソフ議員が再選され、ノースカロライナ州では、民主党のロイ・クーパー元州知事が、共和党有力者で現職のマイケル・ワトリー議員を破ったと予想されている。

民主党はその後、テキサス州、メイン州、カンザス州、オハイオ州、アイオワ州でも、勝利をつかんだ。

一方、民主党は2022年以来初めて、連邦下院の過半数を獲得した。

主要な選挙戦を振り返れば、その理由が数多く浮かび上がる。

民主党は、テキサス州、ノースカロライナ州、ペンシルヴェニア州、アイオワ州、ケンタッキー州、コロラド州などで下院議席を奪還した。また、ヴァージニア州やインディアナ州でも議席を拡大する態勢にあった。

フロリダ州では先に、州議会の共和党議員らが、民主党が連邦下院で議席を保持している3選挙区で区割りを変更し、共和党に有利な状況を作った。しかし、これらの議席はすべて民主党が維持した。

こうした成果の背景には、特に南部でアフリカ系有権者の多くが民主党を支持したことと、わずか2年前には共和党を支持していたフロリダ州のヒスパニック系有権者の票を民主党が取り戻したことがある。

保守派にとって明るい兆しがあるとすれば、フロリダ州全体としては依然として右寄りと見られることだ。

同州では共和党のアシュリー・ムーディ上院議員が僅差で再選を果たし、州知事選でも共和党のバイロン・ドナルズ候補が勝利した見通し。また、ヴァーモント州とニューハンプシャー州で知事の座を守り抜いた。しかし、明るい材料はごくわずかだった。

わずか2年前、トランプ氏は得票率48%で大統領選に勝利し、選挙で民意を得たと主張した。

その後、トランプ氏はその主張通りに統治を進めた。貿易や移民問題において時に不人気な政策を推進し、アメリカ国民の大多数が反対するイランとの戦争を開始した。

そして2日、有権者たちは大統領に対し、そう簡単には忘れられないような痛烈な非難を浴びせた。