「ナルト」や「遊戯王」、「ポケモン」も……日本発のキャラクターをトランプ氏がSNS投稿に使用、反発高まる

トランプ氏のSNS投稿のスクリーンショット。トランプ氏に似た顔をしたキャラクターが3人、「NARUTO」の主人公うずまきナルトと同じような、黄色い髪に黒い額当てを巻き、黒とオレンジの服を着て、忍者のように両手を組み、右人差し指を立てている

画像提供, Donald Trump/Truth Social

画像説明, トランプ大統領は6日、自身を日本のアニメ「NARUTO -ナルト-」の主人公に見立てた動画を投稿した
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森来実(もり・くるみ)東京特派員

アメリカのドナルド・トランプ大統領やホワイトハウスが、日本の人気アニメや漫画、ゲームのキャラクターを使用した動画や画像をソーシャルメディアに度々投稿している。このことに、日本では反発が高まっている。

ファンの間で不満が噴出し始めたのは3月だ。きっかけは、トランプ大統領が「NARUTO -ナルト-」や「ポケットモンスター」、「遊☆戯☆王」といった日本の代表的な作品のキャラクターの画像を使用したり、これらのキャラクターに扮(ふん)した自分の動画などを投稿したりしたことだった。

こうしたキャラクターのSNSでの使用に抗議するオンライン署名サイト「Change.org」の署名は、日本時間11日時点で2万3000筆を超えている。署名発信者は、「作品の映像やイメージが、作者や権利者の意図とは異なる形で政治的・軍事的な文脈の中で利用されている可能性があることについて、多くのファンが懸念」を抱き、「日本国内だけでなく、海外のファンコミュニティーからも、作品の文脈やクリエイターの意図が尊重されるべきではないか」との声が上がっていると訴えている。

ポケットモンスターの海外事業を担うポケモン・カンパニー・インターナショナルは3月、トランプ大統領による自社の画像使用を非難した。BBCは、ほかの権利者やホワイトハウスにコメントを求めている。

トランプ大統領とホワイトハウスに対し、日本の漫画を尊重するよう求める署名は、数件の投稿が一部のファンの注目を集めたことをきっかけに、3月に立ち上げられた。

ソーシャルメディア「X」のホワイトハウス公式アカウントは3月6日、アメリカ軍によるイラン空爆の映像と、「遊☆戯☆王」や「ドラゴンボール」の映像を組み合わせた動画を投稿した。この前日には、「ぽこ あ ポケモン」のようなゲーム画面のスクリーンショットに、「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」という文言を添えた画像を投稿した。

今月6日にはトランプ大統領が、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「NARUTO」の主人公うずまきナルトに扮したキャラクターの動画を投稿したことで、この署名活動は再び勢いを増した。

オンライン署名の賛同者や、インターネット上のファンたちは、これらの作品が「長年にわたり世界中の読者・視聴者に勇気や友情、努力の大切さ」を伝えてきたと主張。トランプ大統領がこうしたかたちでキャラクターを使用することは、製作者の意図に反するとしている。

黄色い髪に、青い額当てを巻き、オレンジ色の服を着た少年が両手を組み、右人差し指と中指を立てている

画像提供, Alamy

画像説明, 「NARUTO」は、忍の里・木ノ葉隠れの里の少年・うずまきナルトが、里一番の忍者を目指す物語

オンライン署名を立ち上げたのは、神奈川県在住の鈴木那奈さん(34)だ。自らを日本の漫画アニメファンだと語る鈴木さんは、行動を起こさざるを得ないと感じたとBBCに語った。

「『遊☆戯☆王』の原作者である高橋和希先生は、海で人命救助を試みた末に亡くなられました。他者を救おうとした高橋先生の気高い精神や作品のメッセージが、軍事的なアピールに消費されてしまったこと、そして先生がご存命でないために、ご本人の口から抗議の声を上げられない現実が、本当に悲しくてなりませんでした」

「私と同じ悔しさを抱えている人たちに、意思を表示できる『場』を提供したい。そして、これだけ多くの人々が『日本のコンテンツとクリエイターへのリスペクト』を求めているという事実を、目に見える『民意の記録』として社会に残したい」と考えたとも、鈴木さんは話した。

一方で、トランプ大統領によるキャラクターの使用を気に留めないファンも、少数ながら存在する。

Xユーザーの1人は、トランプ大統領の投稿を「面白すぎる」と投稿。「NARUTO」の国際的知名度をさらに高める世界一の無料の宣伝だと受け止めた。

別のユーザーは、「個人的には批判よりも、アメリカ大統領がNARUTOを知っているレベルまで、日本の漫画が世界を席巻していることが誇らしい」と投稿した。

ポケモン・カンパニー・インターナショナルは、自社の画像の使用について、ホワイトハウスが許可を得ていなかったと明らかにしている。

同社の広報担当スラヴァンティ・デヴさんは、「当社は(ホワイトハウス側の)制作や発信に関与していない」と述べた。「当社のミッションは世界を一つにすることであり、そのミッションはいかなる政治的立場や意図とも関係はない」。