米CIA長官がモスクワ訪問、予定発表なしの会談で 米報道

紺色のスーツに赤いネクタイを着用したラトクリフ氏が斜め前を見ている

画像提供, Getty Images

画像説明, 米CIAのラトクリフ長官。米軍機で25日にロシアの首都に向かったとされる
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アメリカの中央情報局(CIA)のジョン・ラトクリフ長官が25日、予定発表のない会談のため、ロシアの首都モスクワを訪れた。BBCが提携する米CBSが報じた。

両国とも、ラトクリフ氏の訪ロの目的や会談相手を明らかにしていない。

両国高官が直接会談するのはまれ。ラトクリフ氏は、ドナルド・トランプ米大統領の2期目政権でロシアを訪問した、最高位の米高官の1人とみられる。

航空機を追跡する「フライトレーダー24」によると、米軍の大型輸送機C-17が25日、アメリカからラトヴィア経由でロシアに向かった。グリニッジ標準時午前5時50分(日本時間午後2時50分)にラトヴィアの首都リガの空港を離陸し、同午前7時4分(同午後4時4分)ごろモスクワに着陸。同午後5時(同26日午前2時)前にリガに戻ったとされる。

BBCニュースは、CIA、米ホワイトハウス、米国防総省にコメントを求めている。

ソーシャルメディアに投稿された動画には、米軍のC-17輸送機がモスクワのヴヌーコヴォ国際空港に接近する様子や、外交官の車列がモスクワ市内を通過する場面らしきものが映っている。

ウクライナ高官のCBSへの説明によると、米側はラトクリフ氏の訪ロに先立ち、米高官の代表団がモスクワ入りすることを、ウクライナに伝えていた。また、代表団がロシアを離れるまで、同国への攻撃を停止するよう、ウクライナ側に要請していたという。

動画説明, モスクワの空港へと降下する米軍機

ラトクリフ氏は、CIA長官就任後で初めて、ロシアを訪れたとみられる。ただ、ロシア情報機関のトップらとは継続的に連絡を取っているとされる。

2019~2022年に駐モスクワ英武官だったジョン・フォーマン氏は今回の訪問について、「エスカレーションの管理」に重点が置かれた可能性があると、BBCラジオ4の番組「PM」で述べた。根拠として、最近ドイツの空港に飛来しているドローンとロシアとの関連が疑われていることを挙げた。

フォーマン氏は、「何か特別な事情がない限り、これほどの高官を予告なしに急きょモスクワに派遣することは、アメリカは通常しない」と説明。ロシアで拘束されている米国民の釈放が関係していた可能性もあるとした。

ラトクリフ氏は、ウクライナへの支援を理由にロシアで1年以上拘禁されていたロシア系アメリカ人クセーニャ・カレリナ氏の昨年4月の解放をめぐり、交渉に関わった。

CIAは、2024年のロシアとの収監者の身柄交換にも関与した。この時は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのエヴァン・ガーシュコヴィッチ記者、元米海兵隊員ポール・ウィラン氏、ロシア系アメリカ人ジャーナリストのアルス・クルマシェワ氏らが釈放された。

アメリカは、2022年2月にロシアがウクライナ全面侵攻を開始して以降、同国と緊張関係にある。ロシアは侵攻後、国際社会で孤立し、国際的な経済制裁に直面している。

トランプ氏は昨年8月、米アラスカでロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談したが、関係改善の突破口にはならなかった。その後に進められた米主導のロシアとウクライナの和平交渉も、行き詰まっているとみられる。